安芸太田町に来てからの楽しみの1つに、

毎月発行の「広報 安芸太田」を見る、がある。

インターネット時代に生きていても、ネットでは拾えない情報がまだまだある。

そんな情報を広報で見つけることにワクワクする。

いつものように、広報カレンダーを眺めていて「!!!」となったのが

『脳が目覚めるアート塾』

問い合わせると「臨床美術」という分野。

もともとは認知症の症状改善を目指し開発されたもので

現在は幼児からお年寄りまで、

広く取り入れられているアートセラピーだそうです。

art

そんなアート塾に取材もかねて参加させていただきました!

全6回の、今回は1回目、

ひろしま美術研究所アルセンス臨床美術士の大西さんを迎え

安芸太田町 保健・医療・福祉統括センターにて開講、

受講者は、認知症予防のために集まったみなさん。

「肩の力を抜いて絵を描くことを楽しみましょう」

「今日は何をやるのか、事前に知ってしまうとずっと考えてしまう。

それより、目の前に出されたものに対してそこで瞬間的に考えたり決断したり

感覚や直感で制作してもらうのが一番良い」

など講師の先生がお話されました。

そして、まず、肩の力を抜いて、練習からしてみましょう!と、

水で溶いたアクリル絵の具と画用紙、そして、スプーンが配られました。

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筆ではなく、スプーンで画用紙に垂らした絵の具を

「ドリッピング」という手法で画用紙を動かし、

斜めにしたり、振ったり、新聞紙の上でトントンしたり

絵の具そのものを動かすことで描きます。

dorip

初めてということで、

緊張もあったのか「思うようにいかない」という声もありましたが

思い通りにいかなくてOK!

思わぬとこで色が混ざり合ったり、予想外の線になったり

そうこうしているうちに、みなさん夢中になって

2色、3色と好きな色を選び重ねていました。

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もちろん、一つとして同じものがないですね^m^

こうして、ウォーミングアップしたところで、

いよいよ「うちわ」に挑みます!

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同じ要領で絵の具を垂らしドリッピングします。

画用紙で練習はしたものの、うちわにはデコボコがあるので

絵の具の走り方が違います。

でも、みなさん、どんな作品にしようか考えながら

お話しながら楽しそうに作業されてました(^O^)

uchiwa2

さて、思い思いのドリッピングが終わって、これで完成!ではなく

続けて、出てきたのが「ホウズキ」

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ホウズキそのものをうちわに貼る、ではなく

立体的なホウズキを平面化してドリッピングしたものに加えるということ、

まずはどれぞれドリッピングしたうちわの

どこにホウズキを配置するかを考えます。

ここだ、と決めたら

アクリル絵の具で、まず、中の身を描き込みます。

ho-zk

先生の実の位置はここ、色も緑色。

目の前のホウズキを模するのではなく、

目の前のホウズキから受けたインスピレーションや

好きな色を選んだりなど、自由な感覚で。

それが大事なのです。

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実の位置を決めたら次は、「ホウズキの皮」

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「皮」はこまかくちぎってある色とりどりの和紙を

薄めたボンドを筆で上から塗り接着する方法で

実の上に重ねていきます。

この作業によって、

みなさんの感性やセンスがパーーっと開花しているのを感じました。

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その場で考え、決断し、

手を動かし、目で見る。

そして、笑いあう。

それがどれだけ良い事か、あの場にいればわかります。

 

最後、自分の名前やサインを描いて、完成!

ちなみにこれは松岡の作品、

カープの上昇を意識した赤と、

皮が割れて実の覗いたホウズキがポイントです(笑)

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完成した作品は集められ、全員で観賞会!

どうですか!

みなさんそれぞれの感性が光ってます!

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そして、先生がひとつひとつ、

制作者の名前を呼びながら作品紹介をしていきました。

けして「上手い」とか「キレイ」とかそういう

この時、順位や上下を感じさせる言葉を使わないようにされるそうです。

自由なアートに「正解」はないので。

なので先生は「充実感がある線」だとか

「元気のある色」という言葉を使っていて、なるほどと思いました。

 

学校でも美術の時間に先生が「ここは赤じゃないと変」とか決めつけたり

見たままを同じように描く事だけを正解としたり、なんてことが

子供の個性を摘み取ってしまう、って事がありますよね。

そういう事を絶対NGとしたのが臨床美術なのだと、

素晴らしいことだと思います!

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「人と違って変じゃないか」とか「うまくいかない」とか

最初はそんな事を気にして固くなっていたみなさんが

だんだん楽しそうになっていって、

こうやって自分で作った作品を

みんなの前で紹介され恥ずかしそうにしながらも、

他の参加者からも「配色がいい」とか「線がいい」と褒められ

嬉しそうにキラキラした目をされていたのがとても感動的でした。

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そう、先日お邪魔した子供たちの木工陶芸教室で見た、

あの時のパワーとなんら変わりがありません。

 

年老いて、認知症になるかもしれないという恐れと向かい合ってはいても

こうしてまだまだ輝く感性を、個性を大いに開放し

笑いながら楽しむことで、心から元気に!

それは老いも若きも、弱きも、みんな

この町が観光客だけではなく、

町民みんなにとっても「セラピータウン」になったら素晴らしいなぁ…

 

そんな大きな目標を手に入れた、松岡でした。

 

 

 

 

 

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